2019年01月17日
  ドクターサーチみやぎ

シリーズ宮城の地域医療・第4回 東北大学クリニカル・スキルスラボ ~地域に開かれた医療シミュレーション・センターを目指して~

ドクターサーチみやぎ にて
2018年12月21

 

平成30年11月18日、宮城県仙台市内において、宮城県医師会が主催する第7回 宮城県地域医療学会が開催されました。テーマは「東日本大震災から7年半~医療復興の現状と課題~」。ドクターサーチみやぎでは、「先生の声特別レポート」として、東日本大震災から7年半、宮城県内の地域医療に関わる各機関のこれまでの取り組みと、これからについてシリーズでお伝えします。

シリーズ第4回目は「東北大学クリニカル・スキルスラボ ~地域に開かれた医療シミュレーション・センターを目指して」。東北大学大学院医学系研究科 医学教育推進センターの教授で東北大学クリニカル・スキルスラボの加賀谷豊センター長が、学会の中で語った東北大学クリニカル・スキルスラボ(以下、スキルスラボ)の概要です。

 

スキルスラボについて

東北大学クリニカル・スキルスラボは、シミュレータと呼ばれる医療教材と、実際の医療機器を多数整備しており、これらを活用して研修を行うことで、技術の習得だけでなく、医療安全に対する考え方、チーム医療を推進するための能力を身につけることができる施設です。加賀谷センター長によると、スキルスラボは2012年にシミュレータを更新し、「地域開放型の施設」としてリニューアルしたそうです。利用者は順調に伸びており、平成29年度に17,518人に達し、そのうち1/3以上は学外向けの企画や学外施設への企画の参加者とのことでした。

シミュレーション医学の必要性と課題

シミュレーション医学の目的は、手技のトレーニング、医療安全の向上、チーム医療トレーニングの3つ。シミュレーショントレーニングの長所は、自由に条件を設定できることや、繰り返し学べること、失敗しても患者さんに被害がないこと、学習者の技能を標準的に指導し強化できること、チーム医療における技能や協調性を指導・強化できることだそうです。

シミュレーション教育ならではの課題として、シミュレータの購入や維持管理、設置場所などに費用がかかるそうです。またシミュレータの管理者がメンテナンスする必要性や、インストラクターのインセンティブ、指導法の標準化、カルテの代替となるシナリオ、技術の評価方法などの準備も必要になることも課題とのことです。

スキルスラボの活用について

スキルスラボには、大きく分けて2つのタイプのシミュレータがあります。
一つは採血技術や手術などを学ぶ模型型のものです。

もう一つは胆嚢摘出術などの訓練ができるバーチャル型で、ソフトウェアを追加することで機能が向上します。

これらのシミュレータは、地域では潜在看護職員復職支援研修や、宮城県内の病院などの指導に利用されているとのこと。国際貢献として、アフリカのモザンビークのシミュレータを扱う教育者や、日本アジア青少年サイエンス交流事業で主に東南アジアの高校生や医療系の学生に来ていただいたりしているそうです。

また、一般向けには、子どもの食物アレルギーや乳幼児突然死症候群の対応の仕方の講習会にも利用されているとのことです。

大学の研究活動として、救急救命のチーム医療の研究や、医学部の学生の授業の解析などにも使われています。

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第7回 宮城県地域医療学会
東日本大震災から7年半 ~医療復興の現状と課題~
日時:平成30年11月18日(日)
会場:勝山館(宮城県仙台市内)
主催:宮城県医師会
共催:宮城県地域医療協議会
後援:宮城県歯科医師会・宮城県薬剤師会・宮城県看護協会
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