2018年04月13日
  東北大学コラム

【つながりの経済学】第5回 つながりの経済学の分析対象

東北大学大学院経済学研究科准教授 中島 賢太郎

仙台放送ニュースアプリ【みんなのゼミ】にて
2016年4月22日掲載

 

第5回 つながりの経済学の分析対象

この連載では、つながりの経済学ということで、企業間のつながりが経済活動に与える影響についてお話してきました。

先の東日本大震災では、「絆」という言葉に代表されるように、我々もつながりの重要性について強く認識することになりました。

実際に連載第2回で触れたように、震災からの企業の復旧にとって企業間のつながりが重要な役割を果たしたということが示されています。このように、つながりの経済学の研究は、平常時の経済分析にとって重要であるだけでなく、災害発生後のような非常時の経済分析にとっても有用な研究分野といえるのです。

震災の際に、被災地の企業の被害が広く日本全体に波及した話をしましたが、例えば、被害を広く波及させるような、遠くと多くの取引を行っているような企業を事前に特定することができれば、そのような企業に対してのより迅速な支援によって、被害の波及を和らげることも可能になるかもしれません。

私と、私と一緒に研究を行ってくれる共同研究者はこのつながりの経済学の分野の発展に貢献できるよう日々努力していますが、実は研究においてもつながりがとても重要です。もちろん一人で行う研究もありますが、複数の研究者が協力して行う研究もたくさんあります。また、一人で行う研究よりも複数の研究者による共同研究の方がそのインパクトが大きくなりやすいということも知られています。

また、研究への姿勢や情熱など、さまざまなことを共同研究者から日々学んでいます。つまり、我々の研究においても、研究者間のつながりは、なくてはならない重要な役割を果たしているといえるのです。

 

【プロフィール】
東北大学大学院経済学研究科准教授 中島 賢太郎(なかじま けんたろう)
2003年東京大学経済学部卒業、2008年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)
東北大学、一橋大学を経て、2011年4月より現職。
専門は空間経済学・都市経済学・経済発展論。これらの分野を中心に、データを用いた統計的実証研究を行っている。

※所属等は取材当時のものです。

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