2018年01月23日
  東北大学コラム

【仙台は起業の街になりうるか?】第5回 起業を促進するエコシステムの形成

東北大学大学院 経済学研究科 教授 福嶋 路

仙台放送ニュースアプリ【みんなのゼミ】にて
2015年11月6日掲載

 

仙台にも震災後、起業家や起業予備軍が多数現れています。また彼らをサポートする支援者も充実してきています。仙台市の外郭団体、仙台市産業振興事業団が起業支援センター「アシ★スタ」で無料企業相談や起業支援サービスを提供する体制を増強し、一般社団法人MAKOTOが管理するcocolin(ココリン)や、カタールフレンド基金(以下QFF)の支援で作られる「INTILAQ (インティラック)」といったコラボレーション・スペースが仙台に設立されています。

 

また起業家教育として、震災後に、グロービス経営大学院が仙台に進出し、筆者が所属する東北大学大学院経済学研究科地域イノベーション研究センターは「地域イノベーションプロデューサー塾(RIPS)」、そして金融機関の目利き人材を育成する「地域イノベーションアドバイザー塾(RIAS)」をはじめました。

 

RIPSのみならず、RIASを開塾するにいたったのは、有望な起業家と資金供給のミスマッチをできるだけなくすためには、目利き人材の能力を高めることが最も効果的であると考えたからです。

 

このように起業家や起業予備軍たちが集まり、学びあう場は仙台に増えてきています。仙台のこのような動きが一過性のものにとどまるのではなく、大きなうねりにつながっていくかどうかは、ここ数年にかかっていると思います。この間、我々は傍観者になるのではなく、たくさんの実験をして、学び、自らを変え続けなければなりません。

 

ニューオーリンズが起業家の街として注目を浴びはじめたのも、カトリーナから5年ぐらいたってからのことでした。そのときまでIdea Villageのみならず、州政府、市、大学、商工会議所といった地域の中の組織が我慢強く試行錯誤を続け、企業家精神の火を絶やさないよう、様々な努力を継続し、10年目で花が開いたのです。その間、地域が自立心をもって、自らを変えてきたのです。その経験、態度から我々はたくさんのことを学ぶことができるでしょう。

 

【プロフィール】

福嶋 路

東北大学大学院経済学研究科教授

地域で活躍する企業の戦略、企業家の活動、企業家の活動を促進する社会的仕組みについて研究している。

編著に『ハイテク・クラスターの形成とローカル・イニシアティブ:テキサス州オースティンの奇跡はなぜ起こったのか』(白桃書房、2015年)がある。

趣味 旅行、温泉、刑事ドラマ・動物番組の鑑賞

※所属等は取材当時のものです。

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