2017年09月29日
  東北大学コラム

【ゲノムと社会】第1回 ゲノム医療ってなんだ

東北大学東北メディカル・メガバンク機構特任教授  長神 風二

仙台放送ニュースアプリ【みんなのゼミ】にて
2015年8月3日掲載

 

「ゲノム医学」とか「ゲノム医療」とか、お聞きになったことはありますか?

 

ゲノムとは、生き物のもつ遺伝情報の1セット全てのこと。非常に膨大な情報で、人間であれば30億の文字で書き表せるもので、それが一人ひとり少しずつ違います。その「ゲノム」と医療、医学が結びついたもの?

 

意味はまさしくゲノムについての医学とか、ゲノム情報を用いた医療なんですが、30年前にはほぼ使われていない言葉でした。なぜって、不可能だったからです。じゃあ今は?、というと、既に一部で可能になり始めています。何だかすごく恐ろしげなもの?いえいえ、そんなことはありません。一人ひとりに医療としてなされることは、今のところ、今までと変わるわけではありません。

 

それなら、何が始まっているのか、っていうと、ゲノム情報に基づく医療。ゲノム情報というのは、一人ひとりの人が持っている、遺伝情報の全てのこと。まだまだ、流石にその全部を「使い尽くした医療」というのがあるかというとそうではないですが、ゲノム情報の一部を使った医療は既に始まっているのです。

 

それなのに、今のところ、今までと変わらない?と思われた方。そう、現在、主にゲノム情報が使われているのは、治療の「選択」の部分。ゲノム情報によって、この薬が効くのかあの薬が効くのか、試してみる前に判断することが、一部の薬でできるようになってきているのです。ゲノム医療、いよいよ始まっています。

 

次回は「第2回 ゲノム医療が身近になってくる時代へ」です。

 

長神 風二

東北大学東北メディカル・メガバンク機構特任教授

科学と社会の接点を考えつつ、大規模なゲノム研究の広報にも携わる。

著書に『予定不調和 サイエンスがひらく、もう一つの世界』(DIS+COVERサイエンス)(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2010年)がある。

 

 

 

 

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