2017年09月29日
  東北大学コラム

【ゲノムと社会】第2回 ゲノム医療が身近になってくる時代へ

東北大学東北メディカル・メガバンク機構特任教授  長神 風二

仙台放送ニュースアプリ【みんなのゼミ】にて
2015年8月4日掲載

 

ゲノム医療、前回、既に始まっているとしましたが、何だかまだ、そう差し迫った感じが今まではしませんでした。周りの方、「ゲノム医療受けました?」と訊いても、首をひねる人ばかりでしょう。それもそのはず、今のところ、一部のがんに対する抗がん剤の選択に際してゲノム情報が活用されているのが、限られた主な例だからです。

 

そして、それも、ゲノム医療、という名前よりは、遺伝子のタイプ(あなたの体質)に合わせて抗がん剤の選択をします、と言われて行われていると思うので、あまりぴんと来ないかも知れません。

 

でも、今後、10-20年経てば一気に広がっていくことでしょう。その理由の大きなものの一つが、「次世代型DNAシークエンサー」ができたことです。

 

一人の人のゲノムを端から端まで読むのに、つい15年前までは何千万円という単位のお金や相当な時間がかかっていたのが、2000年代から登場してきた「次世代型DNAシークエンサー」によって、一気に、一人当たり50万円程度にまでコストが下がり、また、期間も数日から一週間程度にまで短くなってきています。この大変な技術的な進歩によって、ゲノム医療が、ごく一部の先進医療で行われる普通の人には関係ないことから、間もなく自分が関わるかも知れないもの、に変わってきたのです。

 

そして、ゲノム医療は、ゲノム情報を使うがゆえに、社会全体で考えていかないといけない課題を含んでいます。

 

次回は「第3回 ゲノム医療と社会の課題」です。

 

 

長神 風二

東北大学東北メディカル・メガバンク機構特任教授

科学と社会の接点を考えつつ、大規模なゲノム研究の広報にも携わる。

著書に『予定不調和 サイエンスがひらく、もう一つの世界』(DIS+COVERサイエンス)(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2010年)がある。

 

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