2017年09月29日
  東北大学コラム

【ゲノムと社会】第5回 ゲノム医療のこれから

東北大学東北メディカル・メガバンク機構特任教授  長神 風二

仙台放送ニュースアプリ【みんなのゼミ】にて
2015年8月7日掲載

 

一人ひとりのゲノム情報を解読することが容易になってきましたが、前回取り上げたように、その一人ひとりのゲノム情報と健康についての情報が蓄積していかないと、ゲノム情報をもとにした医療はなかなか広がりません。

 

今シリーズの初回で、既に一部のゲノム医療は始まっていると書きましたが、それは、膨大なゲノムの中のほんの数か所程度を見れば間違いなく病気になったり、あるいは、特定の薬の効く効かないが分かったりする、そういう非常に単純な例で始まっているのにすぎません。

 

一人のゲノム情報を全体的に読んで得られる膨大な情報を基にして何かの予想に結び付けようとする試みはまだまだ緒についたばかりです。

 

東北大学は、一人ひとりのゲノム情報と健康情報を総合的に長期にわたってみていくことで、そうした試みの基盤になるようなデータをつくろうとしています。何万人という人々が、どういう食事をして、どのような環境で生活をして、どういうゲノム情報を持っているか、そして、その人々が何年間にもわたってどういう病気にかかったり治ったりしていったか、そういった地道で膨大なデータが、これからのゲノム医療の礎になるのです。

 

 

長神 風二

東北大学東北メディカル・メガバンク機構特任教授

科学と社会の接点を考えつつ、大規模なゲノム研究の広報にも携わる。

著書に『予定不調和 サイエンスがひらく、もう一つの世界』(DIS+COVERサイエンス)(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2010年)がある。

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