2017年10月19日
  東北大学コラム

【震災の教訓を生かすために 最新!災害対策の課題】第2回 地震と津波の警報システム

東北大学災害科学国際研究所所長(津波工学教授)   今村 文彦 教授

仙台放送ニュースアプリ【みんなのゼミ】にて
2015年8月11日掲載

地球は生きています。その証拠に内部や表面で少しながら動きがあります。

 

その動きは均一ではなく違いがありまして,その差が大きい場所ほど歪みというエネルギーを沢山にため込みます。貯えられた歪みエネルギーが短時間で解放され,揺れや地殻の変化が急激に生まれます。

 

前者が地震であり,後者は津波になります。

 

いずれも予知をすることは難しいですが,揺れや水面変動をいち早く捉えれば,リアルタイムでの予測が可能です。現在は,地震波の中で最も到達が早いP波を出来るだけ早く捉えて「揺れの予測」を出す地震早期警報(気象庁では緊急地震速報と呼ぶ)システムがあります。

 

一方,津波は,地震の規模と位置に基づく予測があり,さらに,海面での観測データを参照し修正する津波警報・注意報のシステムが動いています。

 

我が国では,1941年に三陸沿岸を対象とした三陸沿岸津波警報組織が生まれ,震源推定後に津波の有無を判断し,その後予報文,伝達ルートを伝えようとする先駆的なものでした。このシステムの全国拡大は,戦争や通信などの問題により実現できませんでした。この間,東南海地震津波(1944),南海地震津波(1946)が発生し,多数の犠牲を出してしまったのです。1949年,第2次世界大戦の終了と伴に進駐軍により,津波予報を有効かつ迅速に伝えるための組織化を指示され,1952年4月1日から全国的な組織としての津波警報システムが稼働しました。

 

いまでは,地震の発生後数分で津波の有無や発生した場合,予想到達時間や津波高さの情報が提供されます。ただし,東日本大震災の際には,第一報が過小評価であり,技術的な課題も残されています。

 

仙台管区気象台では,緊急地震速報などの情報もHPで掲載しております。緊急地震速報とは?緊急地震速報を見聞きしたときは?緊急地震速報の発表状況?など

http://www.jma-net.go.jp/sendai/EEW/eew.html

 

また,大津波警報・津波警報・津波注意報については,以下のページで確認ください.

http://www.jma.go.jp/jp/tsunami/

 

【プロフィール】

今村 文彦

東北大学災害科学国際研究所所長(津波工学教授)

津波工学や自然災害科学を専門とし、東日本大震災後には、国内外での防災・減災社会構築のための実践的防災学を研究している。

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