2017年10月19日
  東北大学コラム

【震災の教訓を生かすために 最新!災害対策の課題】第4回 リアルタム災害情報の活用に向けて

東北大学災害科学国際研究所所長(津波工学教授)   今村 文彦 教授

仙台放送ニュースアプリ【みんなのゼミ】にて
2015年8月13日掲載

 

災害などの緊急情報は,「時間」と「精度」がトレードオフ(二律背反と言います)の関係にあるものです。発災から情報提供までが短時間だと,十分にデータが得られないために精度の低い不確定が多い情報になりますが,時間的余裕があるために迅速な対応が様々にできます。

 

一方,時間をかければ複数の情報が集まって精度が上がりますが,対応は遅れてしまいます。これがトレードオフの原因であり実態です。

 

災害のように生死を分かる判断が必要な際には,短時間で如何にさまざまな情報を得られるか,限られた時間の中でその情報を如何に活用して避難誘導に結びつけるのか,が大切です。

 

さらに,折角に避難しても自己判断で自宅に帰宅してしまい,その後に来襲した津波に飲み込まれた場合も報告されています。警報の発表等を受けて迅速に行動をとるだけでなく,その解除が発表するまで安全な場所で避難を続けることが重要になります。場合によっては,当初の推定された規模より大きいことが予測されるために,さらに安全な場所への移動(2次避難)も必要な場合もありますので,常に情報にアクセスしていくことが肝心です。

 

例えば,SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用しながら,情報を交換したり,予測・観測データに基づいた災害状況や人の動きをビジュアル化して提供できれば,いまの状況がより理解でき,「時間」と「精度」の溝を埋めることができるのではないかと考えます。

 

なお,災害時には,デマも含めて様々な情報が短時間に多数提供されます。そのために,真実なのか,間違った理解によるデマなのか?意図的に混乱させようとする虚偽なのか?区別しなければなりません。

 

情報の信頼性をどのように確保していくかも大きなテーマです。

 

いま,デマツイートなどを見破るような情報の「裏を取り」支援の研究も始まっております。皆さんは普段でもデマなどをどのように区別していますか?

http://www.cl.ecei.tohoku.ac.jp/prj311/20121028_Project311_handout.pdf

 

さらに,宮城県では.災害等が発生した際に,緊急・災害情報を出しています.以下のページには,防災関係のカテゴリー別の情報,各種情報サイトなどもあります.普段からこのページをご覧いただき,災害の発生等に備えてください。

http://www.pref.miyagi.jp/site/emer/

 

【プロフィール】

今村 文彦

東北大学災害科学国際研究所所長(津波工学教授)津波工学や自然災害科学を専門とし、東日本大震災後には、国内外での防災・減災社会構築のための実践的防災学を研究している。

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