2017年06月01日
  まなぶひと

まなび情報誌「まなぶひと」 2017年6月号

特集:本多記念館(本多記念室、資料展示室) -モノの府-

KS磁石鋼・新KS磁石鋼:発明当時世界最高の磁力を誇った永久磁石

 

「鐵の神様」「鐵鋼の父」と呼ばれた、金属材料研究所初代所長にして第6代東北帝国大学総長、本多光太郎は、様々な教えを書に認め、後進に遺している。

そのいくつかは額装され、本多記念館内の本多記念室(本多光太郎所長の執務室)に展示されており、「今が大切」「つとめてやむな」などは彼が好んだ言葉の中でもよく知られたものだが、室内の最も大きな額に収められているのが『産業武士の温床』という言葉だ。

[本多記念室]

 

研究姿勢や人生観などを教え諭すような文言が多い中でこの言葉は、彼が発足より携わった「金属材料研究所」そのものの在り様を、自負と愛着とを込めて記したものであろうことは、想像に難くない。

すべてのモノづくりは材料から始まる。そこに先陣を切って立ち向かい、そしてそれを使いこなす。そんな、まさにモノづくり界の「武士(もののふ)」たちを多く育み、輩出する温床・人材の府こそ、彼が目指した東北大学金属材料研究所なのだろう。

 

開所以来百有余年の歴史を持つ金属材料研究所では、本多光太郎のKS磁石鋼の発明をはじめ、途切れることなく私たちの生活に深くかかわる最新の研究成果を生み出し続けている。

その発明の数々を一堂に集め、展示しているのが、本多記念館資料展示室。50を超える様々な成果を研究所の歴史とともに展示している。また、本多光太郎の貴重な肉声を聞くことができるビデオや、彼の肉筆の実験ノートは、彼の実在を身近に感じさせる貴重な資料だ。

[資料展示室]

 

実験が大好きで、自身の結婚式の当日でさえ実験室にこもっていたと言われる本多光太郎。

その精神を受け継ぐ東北大学の研究者たちは今も、自らの知力と努力とひらめきとを武器に、時代の先端を切り拓き続けている。

 

センダスト:スマートフォンの電子部品(変圧器)などにも使用されている磁心材料

コエリンバー製ひげぜんまい:高精度なばね材料として現在も機械式腕時計用のゼンマイ等に使用される。

炭化ケイ素繊維:ジェットエンジンの素材にも導入され始めている注目の素材。

 

 

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