2018年07月17日
  まなぶひと

まなび情報誌「まなぶひと」 2018年8月号 Vol.38

特集:文化財収蔵庫収蔵品(沼津貝塚出土)

―東北の縄文-

―土器―

赤彩された台付き鉢。亀ヶ岡式土器の逸品。重要文化財。

 

東北地方一帯で縄文時代終わり頃に栄えた「亀ヶ岡文化」。そのなかでも最大級の規模を誇った石巻市の沼津貝塚の遺物を、東北大学は所蔵しています。華麗な装飾が施された朱塗の土器、華やかでバリエーションに富んだ装身具、精巧に加工された骨角製の狩猟・漁労具、そして造形性に優れた呪術具。東北大学が所蔵するこれらの品々のうち、473点は重要文化財に指定されています。数千年の時を超えて、縄文の東北の人々のたくましさ、精神性の豊かさを今に伝える品々をご紹介します。

 

1964年、東北大学文学部考古学講座初代教授の伊東信雄教授のチームにより行われた沼津貝塚発掘の様子。縄文時代後期~晩期を中心とした遺物が良好な堆積環境で残されていた。

 

-動物土偶-

4本足をもつ体に人の顔が合体した”人面動物”の土製品。

 

背中に立ち毛を表現したイノシシを模した土製品。
いずれも長さ8cm程度と小ぶり。呪術具と考えられるが、実際どのように使用されていたかは不明。重要文化財。

 

-骨角器-

イノシシの骨やシカの角など、石より加工しやすい特性を生かして、様々な装飾具、狩猟・漁労具などが作られた。(掲載品はいずれも重要文化財。)

 

笄(こうがい)

髪を結い、彩った笄。細かな彫刻や彩色が施されている。

 

装身具

凝った形の耳飾りや腕輪など。縄文人の感性の豊かさと加工技術の高さが窺える。

 

釣針

鹿角製の大型釣針。仙台湾周辺で外洋性の大型魚類や海獣類を捕獲していたと考えられている。

 

銛頭

鹿角製の銛頭。紐などに括り付け、刺突後、紐を手繰り寄せて獲物を捕獲する。

 

沼津貝塚の発掘は、1909年頃から約20年にわたり、石巻市の毛利総一郎、遠藤源七らによって繰り返し行われたことから始まる。発掘や整理は毛利の多額の私財を投じて行われた。1961年、彼らのコレクション2219点を文学部へ研究資料として寄託。うち473点が重要文化財に指定された。その後も沼津貝塚からは数多くの遺物が発掘されている。

 

東北大学学は沼津貝塚のほか、東北地方や各地の原始・古代の貴重な資料を多数所蔵しており、現在は旧制第二高等学校の書庫であった文化財収蔵庫(通称:赤煉瓦書庫)に保管されている。

【資料写真:菊地美紀 撮影】

 

東北大学文化財収蔵庫

<旧第二高等学校書庫>※一般公開はしていません。

収蔵品に関するお問合せ:文学研究科考古学研究室

【TEL】 022-795-6073

 

東京国立博物館特別展「縄文―1万年の美の鼓動」

【会場】東京国立博物館平成館(東京都台東区上野公園13-9)

【会期】2018年7月3日(火)~9月2日(日)※月曜・7/17休館。

【時間】9:30~17:00 ※金・土曜は~21時。日曜、7/16(月・祝)は~18時。

【観覧料】 (当日券)大人:1,600円 大学生:1,200円 高校生:900円

【お問合せ】 03-5777-8600

【公式サイト】http://jomon-kodo.jp/

 

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