2018年02月26日
  東北大学コラム

【「自分の顔」をめぐる謎】第2回 自分の身体とは何か?

東北大学 加齢医学研究所/災害科学国際研究所 准教授   杉浦 元亮

仙台放送ニュースアプリ【みんなのゼミ】にて
2015年12月22日掲載

 

自分も他人も、視覚的にはほぼ同じ人間です。

赤ちゃんは1歳頃、自然に鏡の中の自分を認識できるようになります。

なぜ我々は、誰からも教わることなく、鏡の中の自己像を自分だと認識できるのでしょうか。

 

鏡の中の自己像を自己と認識できるのは

「自分が思ったとおりに動くから」

というのが発達心理学者の答えです。

 

言われてみればあたり前です。

身体だけでなく、自分で操作しているゲームのキャラクターや自動車なども、自分が思ったとおりに動くものはすぐ認識できますね。

自分で思ったように操作できるものは、ある意味で身体の一部とも言えるかもしれません。

 

実験心理学者がゲームのプログラムに細工をして、ゲームの途中でキャラクターが操作できなくなるようにします。

その途端にプレイヤーにとっては、キャラクターが自分ではなくなります。

思ったとおりに動くか否かは、確かに自己か他者かの決め手です。

 

しかし、自分が思ったとおりに動くことが自己の秘密であるとしたら、鏡像自己認知というのはずいぶん単純な話に思えます。

なぜ多くの動物が鏡像自己認知できないのかが、むしろ不思議な話です。

 

次回は「第3回 自分の顔がわからない?」です。

 

【プロフィール】

杉浦 元亮

東北大学 加齢医学研究所/災害科学国際研究所 准教授

「自己」をキーワードに、人間が物理的・社会的環境と適応的に関わる脳メカニズムの解明に取り組んでいる。

さらにこの新しい人間科学を高齢化や災害などの社会問題へ応用することを目指している。

※所属等は取材当時のものです。

 

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