2017年11月14日
  東北大学コラム

【5日間で「名コーチ」に変身するレシピ】3日目 チームのルールをつくろう

東北大学大学院 教育情報学研究部 教授    北村 勝朗

仙台放送ニュースアプリ【みんなのゼミ】にて
2015年9月16日掲載

 

 

きょうのポイントは,みんなでルールを決めて,それをみんなで実行することです。

カヌー競技で,初心者を育て全国大会で3連覇を果たしたチームの指導者のしかけもユニークです。このチームでは,一人乗りの艇が複数ありました。新品の外国製の艇もあれば,少し古い艇もあります。どの艇に誰が乗るかを決める決め方がユニークです。

 

「各選手が乗る舟はレースをして決めます。レースの日を決めて,そのレースの上位者から自分で好きな舟を選んでいきます。上級生,下級生は関係ないです。その日に風邪をひいたり体調が悪くても,それはそれ。1回のレースで速い人が好きな舟をとる。それだけです。」(カヌー全国優勝監督)

 

 

このカヌーチームのルールは,チームで掲げる目標を達成するために必要なこととして,チームのメンバー全員で決めていました。それにより,目標を達成するためにそれぞれが何をしなければならないか,何をしてはいけないか,が明確になります。良い行動,望ましくない行動がはっきりします。それを判断するための「ものさし」の役割も果たしています。

 

このように,チームで共通の目標を決めたら,次にその目標を達成する上で求められるチームのルールをメンバー全員で決めておくことが重要です。

 

そしてそのルールは,メンバー全員が納得するものでなければなりません。様々な決め方がありますが,なかなかひとつに絞れなかったり,自分たちで決められない場合もあるでしょう。その時は,みんなでルールを出し合って,自分たちができそうなものをひとつ決めて,それをみんなで実行するようにするとよいでしょう。その際,3つくらいの選択肢の中から選択できるとよいでしょう。

 

<ルールを決めるポイント>

  • ルール作成には全員が参加してもらう。
  • 例外はつくらないようにしてもらう。
  • 全員が納得して受け入れられるルールにしてもらう。
  • うまく決められない時は,「A案,B案,C案などいろいろ出ましたが,どれかを選んでやりませんか」,というように,選択肢を出し合ってから決める。
  • 2者選択ではなく,3つ以上の選択肢を示して自分たちで選択させることで,自律性が実感される。
  • ルールにより自分の行動の良し悪しの基準がわかるようにしてもらう
  • ルールにより,行動や結果の責任が負えるようにしてもらう

 

<きょうのまとめ>

 さて,きょうの話をまとめてみると,「よいコーチ」のコツとして次の点があげられます。

・はじめにチームの明確なルールを決めるように促す

 

<きょうの宿題>

チームのみんなでたてた目標を達成するための小さなルールをまずひとつ考えてみましょう。

 

参考文献:北村勝朗著「300人の達人研究からわかった上達の原則」CCCメディアハウス 2015年

 

次回は「4日目 問いかけてじっくり聞く」です。

 

 

【プロフィール】

北村勝朗(きたむら かつろう)

東北大学大学院教育情報学研究部教授

どうしたら人の才能は開花するのか,という疑問について,熟達化とコーチングの視点から研究に取り組んでいる。

主要な著書に『300人の達人研究からわかった上達の原則』(CCCメディアハウス,2015年),編著書に『わざ言語-感覚の共有を通しての「学び」へ』(慶應義塾大学出版会,2011年),共著に『スポーツモチベーション』(大修館書店,2013年),『理科大好き!の子どもを育てる』(北大路書房,2008年)など。

趣味 バイクツーリング,映画鑑賞,身体を動かすこと

 

 

関連記事

新着記事